この専門分野は、他大学の大学院・中国文学研究室と特に異なった点はありません。中国文学に関わる教育・研究がただ「粛々」と行われています。大阪大学大学院の中では歴史が浅いため、組織面、設備面でまだ不十分な点があるかもしれません。とにかく若い専門分野なのです。ですがその分、少人数でアットホームな雰囲気の中、教員や先輩からゆきとどいた指導を受けることができます。ここでの教育は、語学力と資料に対する批判力の養成に主眼が置かれているため、研究テーマも自由に選ぶことができるし、また、研究室は若々しい活気にあふれているので、研究室の内外で年齢、テーマを越えた自由な交流をもつことができます。こうした自由で活気あふれる雰囲気の中で、あたらしい中国像をさがしてみましょう。
教員紹介
教授 林 暁光
りん ぎょうこう1981年生。復旦大学博士課程卒業。文学博士(復旦大学、2011年)。浙江大学講師、同副教授、2021年4月大阪大学大学院文学研究科准教授、2022年4月より大学院人文学研究科准教授を経て、2026年4月より現職。 専攻:中国文学 |
- 研究紹介
- 中国中世文学における文章・賦・楽府・詩・志怪・史伝など多様なジャンルを横断する形で、文人像・文学像やテクストの生成などをめぐって研究を行っている。具体的には、中世貴族社会において文人家族の崩壊・復興がそのメンバーの人生および文学に与えた影響、曲水の宴などの宮廷行事に関する詩文の表現、文献の編纂・伝写によってもたらされたテクストの変貌などのテーマを考察している。
- メッセージ
- 千数百年前の文学なんて、あまりにも遠く、現代人とは無関係だと思いませんか。しかし、「令和」という年号が『万葉集』や『文選』といった書物に由来するように、古い文学も時を超えて我々の人生に甦り、身近なものとなりうるのです。一個の短い人生にも、実は数千年にもわたる文明史が凝縮されています。昔の文学はどのような社会環境から生じて、どのような形で伝えられてきたでしょうか。それを吟味し、考察することは、我々自身を知るためにも有意義でしょう。
- 主要業績
- 著書『王融与永明時代——南朝貴族及貴族文学的個案研究』(上海古籍出版社 2014年);訳書『東洋文化史研究』(内藤湖南著、复旦大学出版社 2016年);『魏晋南北朝』(川勝義雄著、九州出版社 2021年);主要論文「六朝文学における頌について」(日本六朝学術学会報 第12集 2011年);「漢魏六朝における騒体賦の変貌」(日本中国学会報 第71集 2019年);「謝霊運をどう読むか――中国中世文学研究に対する一つの批判的考察」(『六朝文化と日本』所収 勉誠出版2019年);「「嫩」の文学史――南朝隋唐文学の一面相――」(中国文学論集 第49号 2020年)
- 概説・一般書
- 『蕭賾評伝』(上海古籍出版社 2019年)
2026年 4月更新
りん ぎょうこう